造成から産卵まで

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更新日 2012-02-01 | 作成日 2008-03-05

2008年 産卵場観察日記

 〜産卵場づくりから産卵・孵化まで〜

埼玉県荒川支流で2004年から続けている産卵場造成を2008年も行いました。
5年連続同じ場所に作ることで見えてきたことを踏まえながら、造成の様子、その後のメンテナンス、産卵、来春の稚魚まで観察します。

公開資料 渓流魚の人工産卵場のつくり方LinkIcon

(画像をクリックすると拡大します)

 2008年 A沢の産卵場について

 今シーズンA沢に造成した2箇所(A1、A2)の産卵場では、結局ヤマメもイワナも産卵した形跡が確
 認できませんでした。
 産卵床が一つもなかったのは、5年目にして初めてのことです。
 造成した産卵場以外でも自然産卵床が確認できなかったので、この沢ではほとんど産卵が行われな
 かったようです。産卵できる親魚をどう残すかが今後の課題になりそうです。
 

 12月6日 A沢A1、A2の様子

  天候:曇り  気温:5℃(12:00)    
  水量:やや増水  濁り:なし  水温:5℃  水のph:7.8

 A1、A2ともまだ産卵床はありません。落葉、砂利の汚れの取除きメンテナンス行いました。
 A沢本流出合からA1までの間は、例年いくつもの産卵床が見られるのに今年は皆無。もうイワナの産 卵期は過ぎているので調査初の産卵床なしかもしれません。全般的に親魚少なかったので、環境があ
 まり良くないA沢はもろに影響でたようです。
 

12.6A1-1.JPGA1の様子。産卵した様子がないので、表面の泥を流してメンテナンス。12.6A1-2.JPGA1上から見た様子。白くなっているのは産卵床ではなく、泥をよけた跡。
12.6A2-1.JPG川床の泥を流してきれいな小石を露出させた。12.6A2-2.JPGA2周辺は毎年自然の産卵床がみられるのに今年は皆無。

 11月23日 A沢A1、A2、本流の様子

  天候:曇り  気温:9℃    
  水量:平水  濁り:なし  水温:7℃  水のph:7.5
 

A1真上から.JPGA1の様子。落ち葉が大分溜まっている。どうやら産卵の形跡はないようだ。A1水中.JPGA1水中の様子。産卵の形跡はまだない。付近に魚影も産卵後ヤマメの死骸もない。
A2真上から.JPGA2の様子。こちらも産卵の形跡はないが、20cmほどのヤマメの魚影を確認できる。国道の橋の下.JPG少し下流の本流では、産卵床が見つかった。今年はどうやら親魚の数が少ないようだ。

 11月11日 A沢A1の様子

  天候:晴れ  気温:12℃    
  水量:平水  濁り:なし  水温:10℃  水のph:7.4

11.11A1-2.jpgA1の様子。産卵場の状態は良いものの今年はヤマメの産卵はなかったようだ。11.11A2-1.jpgそろそろ始めるイワナの産卵に期待して、被っていた泥を取り除く。

 11月1日 A沢A2造成とG沢、H沢造成

  天候:晴れ  気温:12℃    
  水量:平水  濁り:なし  水温:10℃  水のph:7.5
  途中になっていた下流A2ポイントを完成。

A2造成途中.jpgA2ポイントの造成途中。下にこぶし台の石を敷き詰める。A沢2.jpgやっと完成したA2ポイント。この沢でもそろそろイワナが遡上してくる。
H-1.JPG10月中旬から下旬にかけてA沢以外にも2沢に造成。ここH沢はイワナの生息圏。G沢.jpgこちらはG沢。ここはヤマメとイワナどちらも棲息する。

 10月19日 A1観察・A2造成

  天候:晴れ  気温:15℃    
  水量:やや多め  濁り:なし  水温:12℃  水のph:7.3
  A1より下流にA2ポイントを新たに造成。

10.19A1.JPG10.11に造成したA1の様子。まだ魚の姿は見られず、掘った形跡もない。10.19A2-1.JPGA1の100mほど下流に新たにA2ポイントを造成する。造成前の様子。
10.19A2-2.JPG石で流れをせき止め、石を入れるために川床を掘る。 石が少ないので周辺より採取する。 10.19A2-3.JPG下層に敷くこぶし大の石と表層に敷く小砂利の準備でこの日は終了。魚の気配はまだないので来週以降に完成予定。

 10月11日 造成(A1)

  天候:晴れ  気温:19℃    
  水量:多め  濁り:なし  水温:13℃  水のph:7.5
  後に造成するポイントと区別するためこのポイントをA1とする。

10.11 造成1.jpg①ここが2005年から毎年造成している場所。昨年の堰がまだ残っている。10.11造成2.jpg②すぐ上流に堰堤があり、本流から遡ってきた魚はここで行き止まりになる。
10.11造成3.jpg③この日は水がやや多かったので、平水時を考慮して産卵場をつくる。10.11造成4.jpg④平水時の深さを考慮しながら川床を掘り下げる。
10.11造成4.5.jpg⑤手前側の流れが緩くなった場所に溜まっていた細かい砂も取り除く。10.11造成5.jpg⑥掘り下げた川床にこぶし大の石を敷き詰める。
10.11造成6.jpg⑦最後に表面に敷き詰める小石は大量に必要なので集めるのは重労働。 10.11造成7.jpg⑧掘った砂をかごに入れ、水をかけて小石だけを取り出す。
10.11造成8.jpg⑨4人で2時間で完成。水が減ることを想定して流れの中央につくった。10.11造成9.jpg⑩全体図。流れの中央部をメインに約2㎡ほどの広さの産卵場が完成。

ここは釣り人が多い首都圏の川なので、決して親魚がたくさんいるわけではありません。自然の状態では産卵に適した場所がたうさんなくても魚が重なって産卵する確率は低いので、広さよりも水通しや親魚の隠れ場所など安心して産卵できる環境を整備しました。
果たして魚が気に入ってくれるでしょうか。その後の様子を定期的に報告します。